ストロベリー革命
 天花は日本人以外の人間を見た事がない。

 これが人生初の国際交流となった。

「ステフさんはどこの国の人ですか?」

「私は限りなく日本人に近いアメリカ人なのデース」

「この学園の先生なんですか?」

「ノンノーン。私は寮の管理人をしてマース」

 なんという偶然。今日の天花は運がいい。

「じゃあ、あたしを寮に連れてって下さいっ!!」

「おやすい御用デース!」

 ステフは親切に天花を寮まで案内した。

(なんて親切な人なんだ!! この感動を家族に伝えたいよっ)

 都会の人は冷たいと聞かされてきた天花にとって、こんなにも親切な人に出逢えた事は実に有難い。

 天花が自分で造りあげていた都会像を、ステフは良い意味で壊してくれた。



 しばらく後ろを付いて歩いていると、寮らしき建物が見えてきた。

 寮は学園から少し離れた場所にあり、徒歩五分といったところだ。

 中等部と高等部で建物は分かれていて、そのどちらもマンションのように大きい。

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