ストロベリー革命
 中・高等部の全校生徒がここで生活しているため、朝の登校ラッシュと夕方の下校ラッシュは、生徒の出入りが激しい。

(あたしここに住むのっ!? うちの村の人達皆が住めそうだなー。あたしだけこんな所に住んで皆ごめんね!)

 大きすぎる寮に圧倒される天花。

 口をパクパクさせながら天を仰いだ。なんだかんだ言っても田舎の茅葺き屋根が恋しくなる。

「そういえば、今日新入りが来ると聞きまシター。もしかしてユーデスか?」

「新入りー? それってあたしですか?」

「オオー!! やっぱりユーですネ!」

 ステフは天花に抱きついた。思いっきり抱きついているので、天花は喋る事が出来ない。

「ぐぐぐ、ぐるぢぃぃ……!!」

「私に名前を教えてくだサーイ!」

「……黒河天花です――」

 同時に天花は息絶えた。

(……死ぬ前に一目母ちゃんに会いたかったよっ)

 こんな悲劇のヒロインぶった事を言っているが、抱きしめられて死ぬなど聞いた事がない。

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