ストロベリー革命
「とっても素敵な名前デース。さあ、私が天花を寮まで案内しますヨ!」

「お願いしますっ!!」

 寮の中に足を一歩踏み入れると、そこは異世界のような所だった。

 田舎の古風な家しか知らない天花にとって、当たり前だが部屋が多すぎる。

 しかもそこはやっぱり私立のお嬢様学校だけあって、大金をかけている事が一目でわかる。

 食堂も寮の中に設置してあり、開いている時間はいつでも利用出来るのだ。

「部屋はほとんどの人が二人部屋になっていマース。天花のルームメイトは――」

 ステフは書類を見ながら説明した。

 “ほとんど”と付け加えて言っているのは、一部例外もあるからだ。

 私立の学校は寄付金で成り立っている。

 寄付金が多いところの生徒に、学園の経営者達はあまり頭があがらないのだ。

 そんな学園の事情など、天花は知るよしもない。

「あ、ステファニー。こんな所で何やってるの?」

 ステフが天花を部屋まで連れて行っていると、誰かに声をかけられた。

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