ストロベリー革命
「俺は髪だけじゃなくて全部が綺麗なのっ!!」

「あははっ、そうだねぇー。でも髪の毛はこれ取ったほうが綺麗だよー」

 そう言うと天花は直の頭からウィッグをもぎ取った。

「ふふふーっ」

 バレたらヤバいというのに、悪びれた様子もなく笑ってみせる。

 その笑顔が直をドキドキさせるとも知らずに。

「ちょっ、返せぇ!!」

 部屋の中だからと油断し、ウィッグを取って駆け回っていた事が間違いだったのだ。

 ガチャッとドアが開く音が耳に入り、二人はその場で動きを止める。

 その訪問者を見た瞬間、直の顔からは一気に血の気が引き、真っ青になった。

 何故なら直は今ウィッグを装着していない。

 していないという事は、素が出ているという事。

「……お前が男子校のナルシスト少年を殴ったと聞いた時から何かおかしいと思ってたのよ。……こんっのバカ息子ぉおお―――ッ!!」

 訪問者は学園の理事長でもある、直の母親だった。

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