ナイト



「だ、駄目です!いくらなんでも……あたしが遅れちゃいます…」



自転車を貸すなんて…そんなの…そんなの…自殺行為…!



あたしにはそんなこと……できません!



どう説得しちゃおうかと悩んでいると水嶋海貴は口を開いた



「いや、あの2人乗り。時間ないから、貸して」



水嶋海貴は自転車を自分の手で支える



そのときに自分が掴んでいた部分に水嶋海貴の手が触れてしまった



──ドキッ。


鼓動が一瞬にして高鳴った



「ほら後ろ乗りなよ。俺が漕ぐから」



水嶋海貴に手を差し延べられた。



男の人と自転車を2人乗りなんて……



男の子と手を繋いだことすらないのに



躊躇ってるといきなり手を掴まれた



< 10 / 40 >

この作品をシェア

pagetop