ナイト
あたしはガタッと立ち上がって窓側へと歩いて行った
ガシッ
たそがれてる海貴の右腕を両手で掴む
ヤバッ
掴んだ瞬間以外とガッチリしている腕にびっくりする
この細くも太くもない絶妙な加減の太さにこれはないでしょ!
「変態」
ち、違う!誤解しないで!
あたしはそんなつもりじゃ!
疑わしい目でこっちを見ないでぇーー!!
「ひ、暇だから校内まわろうよ!」
動揺を隠せないあたしは明らかにおかしいはず
というか…な、なんであたし海貴なんて誘ってるの
一人でいけばいい話じゃない
「校内をまわる?」
そ、そう
今から校内をまわるんですよ
思いたったらすぐ行動派のあたしは時には無理をする
いや、今は全然無理なんかじゃないんだけどね
むしろ暇なの
だからまわるの
暇だから
「いいけど…離せよ、痛い」
いつの間にか強く握ってたみたいなあたしは虫を触ってびっくりしたかのように後ろに引き下がった
い、痛いって
あたしどんだけ力入れてたのー!!
「友美、お前…結構力強いな」