ナイト
生徒がゾロゾロと登校し始めるまで、30分ぐらい時間がある。
学校の生徒玄関の鍵が開かれるのはあと10分後。だからあたし達は職員玄関の方からひっそりと入ってきたのだ。
朝早い時間に誰もいない静かな廊下を2人で歩いていることに変な気分になった
しかも入学して間もない、まだ右も左もわからない校舎。
せっかく時間もあるんだし、それぞれの教室の場所を覚えておくのも悪くない
水嶋海貴は相変わらず、無言であたしの前を颯爽と歩いている。その姿をあたしはジッと眺めていた
水嶋海貴は率直に言うとモデル顔負けの容姿端麗な顔をしている。
昨日は理事長に呼び出されてあたし達がこれから一緒に過ごしていくクラスメイトと顔を合わせていない為、とくに何もなかった
けど、今日は違う。芸能人のようなオーラを放つこんなにイケメンな彼を周りがほっておくわけがない
「ここが、生徒会室か」
「あっ……」
階段を登って突き当たりの場所に堂々と存在感を表している生徒会室が見えた。
あたし、生徒会に入るんだよね……こんな所場違いじゃないのかな…
「どうした?」
「…えっ?」