想い人〜許されないこの想い〜
握手されているけれど、私はそっぽを向いていた。

「お前何怒ってんの?」


「何でもないです…」


「……握手じゃたりないか?」


「へ!?」

グイっと引っ張られ、抱きしめられた。


《なんか…慣れてきちゃった…》


毎度毎度のことだからか、慣れてる自分がいた。


「合格おめでとう…」


「ありがとうございます。」


「ところでさ、お前高一の時にした約束覚えてる?」


「覚えてますよ?」


「なら、よし。あ、あとさ…」


「何ですか?」

私が聞き返しても、なかなか言い出さないあなた。


「………」


「先生…?」
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