想い人〜許されないこの想い〜
授業終了後、教室に戻るとざわついていた。


「どうしたの?」
葉月が近くにいた子に尋ねる。


「なんかね、菊地さんのお財布が無くなっちゃったんだって!!」


「「ええっ!?」」


「無いよ〜!!」

菊地さんの叫び声が聞こえる。


「そういえば…最後に教室出たのって並河さんだよね!!」

バッと皆が私を見る。


「へ…!?」


「並河さん、知らない?私の財布…」


「知らないよ!!」


「本当に……?」

冷たい目が向けられる。


皆が…私を……疑ってる…?
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