想い人〜許されないこの想い〜
「まさか……親の期待を裏切るのがしのびないから、あんなことしたの?」


「だって…皆が並河さんに投票するとか言うから…。

並河さんの信用を無くしちゃえばいいかな…って…」


「『だって…』ですって…!?」


「ちょっ…椎果!?」

葉月がいち早く私の異変に気づく。


パァン!!!!
乾いた音が教室に響く。


もちろん、叩いたのは私。菊地さんは赤くなった頬を押さえている。


「あんたねぇ、バッカじゃないの!?

私の信用を無くしたかった!?

それであんなことして!!
あんたは気づいてないかも知れないけど、この一件で一番信用を無くしたのはあんたなんだからね!!」
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