想い人〜許されないこの想い〜
「はい?」


そこには一人の男の人。


「良かったら俺と…ペア組んでもらえませんか?」


「…ごめんなさい、先約がいるので…。」

しゅん…とした様子で男の人は去っていく。

《さて…ここからが本番だ…》

毎年、一人が私に話しかけると、あとから雪崩が起きるように、次から次へと違う人が来るのだ。


今年も例外では無かった。


「ねぇ!!俺と回らない?」


「ごめんなさい、ペアの人を待ってるので。」


「あの…!!僕とペアを組んでください!!」


「ごめんなさい、先約が…」


「ねぇ…僕と組まない?」


「すみません、もうペアがいるんで。」
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