想い人〜許されないこの想い〜
そんな声が聞こえているのかいないのか……

あなたはどんどん進んでいって、気づけば人の影は見当たらなくなっていた。


不意にあなたが立ち止まり、振り返るから、私の体はあなたの胸に飛び込んだ形に…。


「わっ!!すみません!!」

すぐに体を離す。


「……お前、毎年あんな状態なわけ?」


「まぁ…あんな感じです…」


「…………つく…」

ポツリとあなたが呟いたけれど、私には聞こえなかった。


「へ?」


「なぁ〜んかむかつく!!」
そう言ってあなたは…

私を抱きしめたんだ。
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