君との、距離。
「ほらっ!!あれ!!」
千鶴が窓から指をさす。
ゆずもつられて指さされた方を見る、と。
「ゆず…あれ、宝だよね!?
どーいうこと!?」
そこには、笑顔で女の子と手を繋いでいる……宝がいた……。
……昨日、別れたばかり…なのにな。
ちょっとだけ、胸の奥がちくちくした。
「…ねぇ、ゆず………??」
千鶴が不安げな顔でこっちを見る。
「昨日、宝と別れたんだ。」
千鶴に心配かけないように、ははっ…とちょっと笑って言う。
ちゃんと笑えてるかどうかは、自分じゃわからないけど。