nature


そして高校2年の夏休み――…


父は死んだ。


仕事帰りに、無情にも飲酒運転の車に跳ねられ、即死だった。


無情……
なんかじゃないのかもしれない。

必然……
こっちの方がしっくりくる。


父の葬儀中そんな事を考えていた。


――――…


「さちっ!!さち!!写真撮ろう」

「あ…うんっ」

「ぼーっとしない!!」


くすくす笑いながら美羽が言った。

そうだね、と私が答える。


こんな当たり前の事ができなくなると思うと、また涙が込み上げてきた。


回りを見渡すと、"人殺し"と変な噂をたてた人たちも涙を流したり、浮かべたり…


輝いていた。


大丈夫。

あの人たちも輝いているなら、きっと私も、



わたしも――…


美羽と撮った写真の私は涙が輝いていた。



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