白い約束
ドアを閉めた後、一粒の涙が頬を伝った。



もう泣かないと決めたのに。



涙を拭いて、その場を離れた。



走って逃げた。



早く、早く家に着くように。



でも、もうダメ…!



途中にある公園に入った。



ベンチに座る。



こみ上げて、ももの上にポタポタとこぼれ落ちる涙。



人目なんて気にしてられない。



声を押し殺して私は泣いた。



今までの想いが溢れ出る。



ごめんね…、ごめんね…。



トボトボ家路を歩く。



通い慣れた道。



頭の中で、繰り広げられる過去の記憶。
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