白い約束
駅前にあるカフェ。



前を通り過ぎるだけで蘇る。



“多希、砂糖入れすぎじゃない?”



“いーじゃん。司みたいにブラックで飲めないもん”



“子供だな、多希は”



“うるさーい!”



少し歩いた先にある本屋さんも。



“医学書?”



“うん。新しいの出たみたいだから”



“へ〜!勉強熱心なんだね”



“多希とは正反対だろ?”



“そんなことないもん!”




家の近くの川原も。



“一回でいいから、司って呼んで?”



“………司”



“もう一回”



“………司?”



“もう一回”



“……司!”



初めてキスした場所。



“俺は多希がいくつであろうと、出逢った瞬間にノックアウトだよ。絶対に惚れてる”
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