白い約束
言われるがままついて行く。



何となく、行き先がわかってきて…。



着いた先は、やっぱり視聴覚室だった。



『多希が、私と浩輔を結びつけてくれた場所。』



そう言うと二人は、私に中に入るよう促す。



不思議に思いながらドアを開けた。



私の身体はストップ。



窓側に立つ、恭亮の姿。



『ごゆっくり』と背後から菜穂の声がして、ドアは閉められた。



つい何時間か前に、テレビで見たのに。



実際に目の前にすると、どうも涙腺が緩む。
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