【短】聞こえないから、もう一回!!
「あ、あの木暮先輩…

実は…もう左耳治ってるんです…。」


「………はぁぁ!?」

木暮先輩はみるみるうちに真っ赤になってバスケットボールを落とした。


「マジかよ…。」
とうとうしゃがんでしまった。


「すみません……。
マジです…。」

私もしゃがむ。



「………返事。」


「え?」


「返事…聞かせてよ。」
真っ赤な顔を手の隙間から覗かせる先輩は可愛くて、だからなのか、


「私も…好きです。」
と自分の気持ちを素直に伝えられた。


するとニヤリと木暮先輩は笑って


「聞こえないから、もう一回!!」と言った。


「ええ!?む、無理ですよ!!」


「無理じゃない!!俺は二回言ったぞ!!」


「無理です〜!!」





突発性難聴…


これはもしかして、


神様からの贈り物だったのかな?



*end*
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