【短】聞こえないから、もう一回!!
すると、木暮先輩は何を思ったのかゼッケンの箱を床に置いた。


「じゃあさ、俺が左耳の近くで何か言うから、何を言ったか当ててみて。」


「へ…?」
木暮先輩は私の返答無しに、左耳へと口を近づけた。

「〜〜〜〜」


「…?」


「聞こえた?」


「いえ…」


「んじゃ、もう一回」
そう言って再び口を近づける。

てか、これ顔近い!!
恥ずかしいよぉ……

「〜バス〜〜」


「バス…ですか?」


「正解は…

『男バス部長』でした!!」


「へ…?

それって自己紹介じゃないですか!!」

私が笑うと

「笑うなよ。それしか思いつかなかったんだから…」と木暮先輩がすねた。
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