4 X’mas story
息を切らして店の前に着くと、店の中に見慣れない男がいた。
深緑色の帽子をかぶり、ぼろきれのような衣服を身に纏って、ヒゲを生やしている。
「待て!何してる!」
急いで店の中にいくと、他にも何人かいたようで、彼らは何かを運び出すと、慌てた様子でその場を足早に去っていった。
どうにも逃げ足が速く、追いつけそうになかった。
僕はあきらめて調理場を確認した。
犯人の目的は何だったのだ。
すると、まさか、である。
砂糖が一袋残らずなくなっているではないか。
ケーキ屋から砂糖が盗まれた。
クリスマスイブの前日に。
街で唯一のケーキ屋のパティシェである僕にとって、これ以上ないほどの大事件だ。
しかし、これ以上に胸を痛める思いもあった。
ティナとアイナと交わした約束が、おそらく守れないであろう、ということである。
深緑色の帽子をかぶり、ぼろきれのような衣服を身に纏って、ヒゲを生やしている。
「待て!何してる!」
急いで店の中にいくと、他にも何人かいたようで、彼らは何かを運び出すと、慌てた様子でその場を足早に去っていった。
どうにも逃げ足が速く、追いつけそうになかった。
僕はあきらめて調理場を確認した。
犯人の目的は何だったのだ。
すると、まさか、である。
砂糖が一袋残らずなくなっているではないか。
ケーキ屋から砂糖が盗まれた。
クリスマスイブの前日に。
街で唯一のケーキ屋のパティシェである僕にとって、これ以上ないほどの大事件だ。
しかし、これ以上に胸を痛める思いもあった。
ティナとアイナと交わした約束が、おそらく守れないであろう、ということである。