4 X’mas story
そうして私たち三人の土掘りが始まった。

早朝からクリスの作った地図を確認し、発掘のポイントを確認。

三人で現場に赴き、そこから作業。土をスコップで掘り、岩をつるはしで砕き、それらを別のポイントまで運ぶ。

それを延々と繰り返す。

やはりトーマスの馬力は凄まじいものがあり、私やクリスとは比べ物にならない破壊力をもっていた。

トーマスがつるはしを振るう間、私たちは少し山をくだり、野草をとる。クリスが仕掛けた罠にかかるうさぎやねずみ、山鳥をとる。それらを煮たり焼いたりして質素な食事を済ませると、また発掘作業にとりかかる。他には質の良さそうな石や岩がでると、街まで降りてそれを売り、僅かなお金を得る。


ただそれだけ、あまりにもただそれだけの暮らしだった。


一年の旅を続けてきた私も一カ月で音をあげそうになった。

辛さの質がまるで違う。

この変わり映えのない毎日、しかも日々重労働。

甘く見ていたのは事実かもしれない。
一日に掘れる土の量というのは思っていたよりはあるけれど、それ以上に山は大きく、またその分、何も出てこない虚脱感が大きかった。

その様子にクリスが気づいたらしかった。

「どうした、もうあきらめるのか」

誰が、あきらめるもんか。

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