4 X’mas story
だんだんと冷たくなってきた外の気温よりも静かに、クリスはつぶやくように言った。

「お前も一緒にくるだろ」

「え?」

「オレはお前を見込んでるんだぜ。その根性。遠く離れた国からここまで一人でくるだけでも大したもんだ。そしてここでの生活もこれだけ粘ってる。まぁノエルには劣るかもしれないけどな。ただそこにその美貌を足したらお前の圧勝だよ。そんなヤツともし金が腐るほど詰まった船で旅に出られたら、楽しいかなと思ってさ」


むかつくやつだ。


いつもいつも厭味ったらしいことばっかり言ってくる癖に。


こんな不思議な雰囲気の夜に、そんな風に言われたら。


私の金を掘る目的が、金よりも輝いて見えるような気がしてしまった。
< 31 / 65 >

この作品をシェア

pagetop