4 X’mas story
寒い冬のことだった。

当たり前のように、毎日スコップで土を掘り、つるはしを振るい、石を運び、ときには怪我をして、山を掘り続けていた。



そしてこの瞬間に、結果というものは、あるとき突然、何の前触れもなくやってくるものだと思い知った。



「やった、出た、出たぞ、金だ!ここだ、皆ここだ!ここをもっと掘るんだ!」



遠くでノエルが叫んだ。

ついに、ついに金が出た。


言葉にならない思いとつるはしを握りしめたまま、声のする方へ駆け寄る。

ゴートンも太い足を鳴らし、クリスも長い脚を回し、ノエルのもとへ集まった。

ノエルの右手のひらの生命線だか運命線だかの溝の周りと、彼の足元に広がる壊れた岩の塊の中に、キラリと威光を放つ、小さな粒が散らばっている。

私たちは夢中に、しかし慎重に足元の地面を掘り起こし、できるだけ大きな形のまま、金塊を取り出した。


辺りを掘れば掘るほど金が見えてくる。


伝説に、おとぎ話に、何の信憑性もない世間の噂話に、自分の胸の中の疑念に、私たちは勝利した。
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