4 X’mas story
話が快諾したその日のうちに、海へ出るために、私たちはレンディアの舟に金塊と荷物を積んでいた。

真冬の真夜中は凍えてしまいそうな寒さで、普段日照している間に穴掘りを続けていた私たちにとって、少し不慣れな時間帯の作業の気がした。

それからノエルとクリスは航海のために集めたという、ボロボロの古そうな文献や資料を読んでいた。

私も少しでも力になりたいと、積み重ねてある本を数冊抜き取り、何か航海に役立ちそうなものはないか、私が身に着けておくべき知識はないだろうかと頁をめくった。

しかし、外国の文字で記された文献や、軍隊蟻の行列のように並べられた文字の前に、私の瞼は意味を理解できないまま屈服してしまう。

体力だけでなく、知的好奇心というか、識字能力というか、それらを持ち合わせているあの二人に感心の念を抱きながら。
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