4 X’mas story
その言葉の意味を理解するのに一瞬の時間を要したが、全員がその次の瞬間は肩の力が抜けたに違いない。

まったくもって何のための危険と時間だったのかと。

ある意味かなりの人騒がせなやつ。

でも、たまにはクリスでも失敗というか、間違いを犯すこともあるんだな、と思わず微笑んだ。もちろん彼にはばれないように。

さらにノエルは「必要ないのであれば戻してくる」とトーマスを説得し、ケーキ屋に砂糖を戻しに行った。

わざわざ危険を冒す必要もないのに。

しかしあの日の言葉の裏を返せば、それは私利私欲のために誰かを陥れるとか、必要ないものまで奪うとか、そういうことは絶対避けるということだろう。

それが彼らしかった。
< 45 / 65 >

この作品をシェア

pagetop