パラレル・ワールド~君と僕の今
「お兄さんって、子供みたい。
そろそろ素直にならないと、大切なものを見失いますよ」
俺の手を取り、くるみの殻を被った天使はそう囁いた。
「ほら、こうやって手と手をつなげば、たましいのしんどうが伝わるでしょ」
天使は俺の手をレイの手に重ね、上からそっと彼女の小さい手のひらで包み込んだんだ。
いや、確かに俺は無意識のうちにくるみに助けを求めていたさ。
確かにな……
メニュー