会いたいと思ったから
女の子のすすり泣きが聞こえてくる。
「聞きたくなかった…です。そんなこと、、、」
パタパタとこちらに足音が近づいてきた。
あたしは急いで入り口の角に寄った。
すると、女の子が涙を拭きながら階段を掛け降りていった…あたしに気づくことなく。
「あたしも、聞きたくなかったかも…」
ぼそっとつぶやいたのは…あたし?
「うわっ!」
「きゃっ!」
驚かれたのに驚いてしまった。
そこには、深さん…なぜか顔の赤い深さんが立っていた。
「…聞いてた?」
「…すみません。深さんを探してて、見つからないので電話しようと思って来たら、、本人がいました」