会いたいと思ったから



そっか…とつぶやいて、深さんは小さくため息をついた。

「どうかしましたか?…顔、赤いけど」

「いや、何でもないよ。待たせてごめんね、行こうか」


そう言って、階段をおりはじめる深さん。


なんか悔しくて…なんか悲しくて…なんっか苦しくて、、、あたしはつい、その背中にしがみついてしまった。


「えっ…?怜ちゃん?」

「…っ!」

なんで泣いてるの、あたし。
深さんが困ってるよ…深さんには、好きな人がいるんだってば。

あたしが、一生懸命見つけた言い訳…それは、、

「置いてく気ですか」



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