ナイフ
ナイフ
どこかの国の、血塗られた物語。
可憐な王女と、小汚い泥棒が恋をした。
愛し合う二人についてまわるものに幸福などはなく、罵声と皮肉が二人を襲った。
許されぬ愛を抱きつつ、二人はとある日、一本杉で落ち合った。
“わたしはある計画を考えました。これが成功さえすれば、わたしたちの永久の愛は確実でしょう。
けれどこれにはかなりのリスクとわたしへの愛が必要。
あなたには覚悟と愛はあるかしら。”
“もちろんさ。君との幸せを手に入れられるならば、誰に憎まれようが構わない。”
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