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欠伸をしながらソファの前に回ってきたメグルは、マグカップを手に取りながら、ソファにぼすんと腰を下ろした。

隣に俺が座っているだとか、そういうのはまったくお構いなしだ。


メグルは両足をソファに上げて、体育座りのような格好をしてからマグカップを両手で持つ。

前髪が邪魔なのか、頭を何度かふるふると振って、そしてようやくコーヒーにありついた。

そうかと思えば、一口飲んで眉をしかめ、「熱い」と舌を覗かせる。
メグルは極度の猫舌だ。

ホットコーヒーが好きなくせにね。



「……おいし?」


なんとなく尋ねてみる。


「……おいしいんじゃないの」


カップに口をつけたまま、テキトーで投げやりな返答が来た。
コーヒーは好きだけど、味に関してはどうでもいい人、メグル。


テレビからは、あっという間に終わった天気予報の後に続く、本日のクリスマス特集が賑やかな街並みと共に映っていた。




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