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PM 19:53 雪を降らせる方法
ふと、物音と人の気配を感じて、瞼を持ち上げる。
重たい瞼の向こうには、華奢な背中が猫のように丸まっていた。
寝転がっているのかなと思ってから、寝転がっているのはその背中ではなく、自分の方だと理解した。
ソファの上で横になっている俺の目の前に、床に座って膝を抱えた、メグルが居たのだ。
ずっと右を下にして寝ていたようで、右肩が痛くて身じろぐと、その物音に気が付いたのか、メグルはこちらを振り向いた。
その手には、いつものマグカップが握られている。中身は見なくともわかった。
香りがする。コーヒーの。
「おはよ」
「……はよう」
いつもと逆になった挨拶の順番。
なんとなく、笑えてしまった。
「起きて早々なに笑ってんの」
「いや、別に」
「ふぅん」
「っつーかさ」
「なに」
「俺いつから寝てた」
「知らね」
そういえば、メグルは先に寝てたっけ。