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「風呂?」
「溜めるの忘れてた」
そんなことだろうとは思ったけどね。
「惜しい」
「なにが」
「お前がそこまで完璧にできてたら」
「なに」
「雪、絶対降ったのに」
「バカ」
「ははっ」
声を上げて、軽く笑い飛ばす。
ソファの上から、斜め下にあるメグルの顔を見下ろすと、カップを口につけたまま、わからない程度に唇をアヒルにしていた。
やっとけばよかった、と後悔しているのかもしれない。
そうしたら、雪が降ったのにってさ。
大丈夫だってメグル。
いつもは俺に任せっぱなしの風呂の用意も、今日は自分から思い出したんだし。
それだけでも十分だと思うけど。お前の場合ね。
なんて言ったら更に不機嫌になるだろうから、言わないけど。