AM 0:00
でもベッドの中は温かい。
それは布団の丸みが、安らかに上下しているところからも読み取れる。
よくそんなに眠れるよね、お前ってさ。
よく眠るくせに成長しないよね。主に中身。
「……メグル」
健やかな寝息を立てているであろう布団の丸みに歩み寄り、軽く揺する。応答なし。
もう一度揺らす。今度は大きく。
布団の中でもぞもぞとうごめく気配があった。
頭の先のみ出現。
「メグル、起きろって」
「……んー」
「コーヒーできた」
「……持ってきて」
「ふざけんな」
どこまでもベッドが恋しいらしいメグルの言葉を一蹴して、布団を掴む。
引っ張り剥がそうとしたら、ヤツは対抗するように掛布団にくるまった。
常々思う。
俺も相当な面倒くさがり屋だけど、コイツには負ける。自信ある。