画用紙を舞う絵の具と空中を漂う音符だけが、曖昧なふたりの1日を知っているのだろう
──面倒くさがりな二人は、その関係に名前を与えることすら面倒なのだけど。
創造の世界はひとりきりだ。
他人の助けも誰からの理解も許されない。今日が世界の終末だとしても変わらない。創造者はひとり。
この世界は孤独なのだ。
だけどひとつだけ、この世界に許可なく入り込んで、色づけることのできる存在があるとしたならば、それは、
濃いめのコーヒー、絵の具のにおいと弾き慣れたギター、変わらない日常に
トナカイのケーキととっておきの唄で普段と違う意味を添えて。
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独特なリズムの会話、巧みな文章、洗練された世界観、すべてで造り上げられた、ひとつのホワイトクリスマスのお話。
二人の距離感と言葉選び、そして作者さまの創られる世界観がたまらなく好きです。
素敵な作品ありがとうございました!
ぜひ、御一読を。