翼を失くした天使の羽音
「ついてない……」


わたしが、しょんぼりして呟くと、



「でもさ、優音。何か起きそうな予感がするんだけど」


奏子ちゃんが、わたしの肩をポンポン叩いた。



「え!?」


な……何が起きるって言うの――――?

目線を奏子ちゃんに向けると、



奏子ちゃんは、楽しそうに微笑みながら、


「波乱の展開♪」


なんて言ったんだ。



げっ。


奏子ちゃんのこういう予感って、けっこう当たるんだよね……。



「ちょっと……やめてよー」


半泣き状態のわたし。



と、そこへ――。



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