翼を失くした天使の羽音
「あ……ありがとう」

「緒川さんは?」


「えっと……ちょっと用事があるからって……その……」

「優太に呼ばれたんだよね?」


「へ?」

「教室で、僕も見てたから」


「そっか」



……天人くんも知ってたんだ。




「神崎さん」

「何?」


天人くんが、小さな声で言った。






「今日、一緒に帰らない?」






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