翼を失くした天使の羽音
「その言葉を聞いて、うちは優音が待つ、あの場所に飛んでった」


――図書室裏の、銀杏の木。



「そう……だったんだ……」




奏子ちゃん...


わたしを孤独から救ってくれた、大切な友達――。


それは変わらない。




天人くん...


あなたは、寂しかったわたしの心に気づいていて、代わりに伝えてくれたんだね。




――僕が神崎さんの立場だったら、きっと誰かに側にいて欲しいって思う――




ありがとう。


誰も気づかない、些細な事にも気を配ってくれる人。



だから、わたしは――あなたに恋をした。




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