翼を失くした天使の羽音
「ごめん。今さら……こんな事言う資格はないけど、聞いて下さい」



わたしは、ただ黙ってうなずいた。



「さっきの言葉。伝えようとした言葉は……僕は神崎さんを好きだって事なんだ」




突然の告白……信じられない一言。

わたしの心が大きく揺れた。




ドクン――ドクン。



嘘……でしょ?

天人くんが、わたしを――――?




だって、わたし……前にきっぱりフラれてるんだよ?




「最初で最後の告白」


天人くんはまた歩き出した。




「……うそ……だって……だって天人くん……」




待って……言い逃げしないでっ。

わたしは、天人くんの制服を掴んだ。



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