翼を失くした天使の羽音

彩人くん?
本気で言ってるの?



ホントに……本当に……?


信じてもいいの――?



コクン。
わたしは頷いた。




「今度は、優音の気持ちを聞かせて?」



彩人くんが、わたしの顔を覗き込んだ。




「へ? だって、さっき……」




ちゃんと「好き」って伝えたよ?




「言ったじゃん。聞かなかった事にするって」



言いながら、わたしの頬っぺたをつつく彩人くん。


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