翼を失くした天使の羽音
案の定、ゆんちぃは誤解した。



俺がまだ、サラを想い続けている――と。




ゆんちぃが、泣いていたような気もする……。



抱きしめた腕に感じた、微かな振動。
ポタリ、という音……。




「泣いてるの?」



俺の言葉に、違うと否定しながら背を向けた、ゆんちぃ。




もしかして、ゆんちぃは……俺の事――…

なんて、図々しいよな……。



ごめん、ゆんちぃ……。
まだ、全部は話せないんだ……。



でも、ちゃんと話すから――――…



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