翼を失くした天使の羽音
約束破って……サラをあんな目に遭わせて。

どんなに謝っても、謝りきれない。



それでも、


「ごめん」


精一杯の償いの気持ちを伝えた。



すると――。


「彩人くんを守りたかった。あの時のわたしは、その思いで必死だったの。だから、後悔してない。彩人くんが無事でよかった」



サラからは意外な言葉が返ってきた。
涙が出そうになったのを必死にこらえた。



涙は見せない。



そう決めていたから。

俺が泣いたら、何も悪くないサラが気にすると思うから。




「――ありがとう」



そう言葉にするのが、やっとだった。




少しの沈黙の後に、


「わたし、今……マネージャーの事を、本当に愛してる」


サラが照れくさそうに、髪を耳にかけながら言った。

その時、サラの耳元がキラリと輝いた。


ピアス――。


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