翼を失くした天使の羽音
彩人くんが、そんなわたしの顔を覗き込んで、


「だーかーらーっ、責任をとって、優音が俺をオトコにしてよ」


なんて、爆弾発言をしたんだ。



「!」

久しぶりに見る、ノリの軽い彩人くん。

懐かしくて、目がウルウルしてきた。



だけど……。


ん?
オトコに……して……って……。


かあぁっ。
頬が火照ってきた…………熱い。



「あー、真っ赤になってるー。優音のスケベっ」

彩人くんに、からかわれて、さらに顔が熱くなった。



「もうっ!!」

言いながら、彩人くんの肩に、わたしの肩をぶつける。



隣に彩人くんがいる。
わたしを見てくれる。


それだけで十分。
それだけで幸せ。



と――。

少し歩いた所で、彩人くんが歩くのをやめた。


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