翼を失くした天使の羽音
「ごめん……知らなくて……どうしよう……プレゼント――」


わたしが動揺していると、


「プレゼントなら、もう貰ったし」


彩人くんが、そう言ってニカッと笑った。


「え?」

じっ……と、わたしを見つめる彩人くん。


ドキンっ。
な……何――?


そのまま、

「優音を貰った♪」

なんて、嬉しそうに、そんな恥ずかしいセリフを言ったんだ。



その後。
彩人くんは天人くんにメールを返した。

ピースの絵文字、たった1つだけ。


すぐに返信がきたんだけど、
何て書いてあったのかは、教えてくれなかった。


変わりに教えてくれたのは――。



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