翼を失くした天使の羽音
「いつか振り向いてくれるって、信じてる。だから、考えて……天人だけじゃなくて、俺の事も」



彩人くん?
それって――――?


「え……あ……えっ?」



天人くんだけじゃなくて……って。


彩人くん?



「知ってるよ。ゆんちぃの視線は1つだから、分かりやすいもん」


「え」



わたしの気持ち、バレバレじゃん。




「それに――天人の視線もさ」



「え!」

天人くんが、弾かれたように顔を上げた。




「でも、譲らないよ」


彩人くんが、イジワルに微笑みながら言った。




え――――?



わたしの気持ち。

彩人くんの告白。



そして――。

天人くんの視線?




ああ、もう。


わたしの頭の中、限界〜。
ワケ分かんないよ――っ。



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