翼を失くした天使の羽音

瞬間、

ゾク……ッ。

背中が凍りついた。



「大丈夫だよ。何もしないから」



そう言って、強引にわたしの腕を引っ張った。



「やっ……やだっ……」



この人達、危ないっ。

わたしは逃げようともがいた。




気持ち悪いっ。

放してっ……!?


どうして、こんな目にあうの?


最悪だ……――――!



ぽろぽろ。

涙が溢れた。



そのとき。



「あのー、俺の彼女なんで、手を離してもらえます?」



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