翼を失くした天使の羽音
「よし。お互いに、リベンジの恋にせよ、新しい恋にせよ、頑張ろう!」

突然、奏子ちゃんが立ち上がって。

「う、うんっ」

つられて、わたしも立ち上がった。


「寒いから、中に入ろっ」

「そうだね」



教室に戻ると。

クラスのコが声をかけてきた。

「優音ちゃん。さっき隣のクラスの咲坂くんが来てたよ」

「え?」


「優音ちゃんを探してたけど」

「わたしを?」


「うん。いないって言ったら、コレを預かったんだけど」


そう言って渡されたのは、CD。
夕焼け空の可愛いジャケット。


その真ん中に、『一期一会』って文字がプリントされている。




コレ……確かあの時――…



「何? どうしたの、そのCD?」


奏子ちゃんが覗き込んだ。



「うん、あのね……この前、遊園地に行った日の帰りに、彩人くんのケータイが鳴って……」


「それで?」


「すごく素敵な着メロだったから、それを褒めたら、『今度貸してあげる』って……」



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