翼を失くした天使の羽音
「あ……れ?」


何……で?


あの自然な態度……?



わたし、確かにフラれたのに――…



それも1週間前だよ?


本当に天人くんは……全然気にしてないの……?




「優音、大丈夫?」


つんつん、後ろから背中をつつかれて振り返る。



「……奏子ちゃーん(泣)」



わたしはすがるように、

後ろの席から一部始終を見ていた親友、

緒川奏子(おがわかなこ)ちゃんに泣きついた。




全部の事情を知ってる奏子ちゃんは、


「よしよし」


って、優しく頭を撫でてくれた。




「昼休み、ね?」


「う、うん」



小声で交わした約束。




数分後――。

キーンコーンカーンコーン。


チャイムが鳴って、昼休みになった――。



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