翼を失くした天使の羽音
「え!」


驚く彩人くん。
わたしは、恥ずかしさでいっぱい。


「……マジで?」

振り返った彩人くんが、わたしの顔を覗き込んだ。


「……うん」

小さく返事をしたわたし……。

今、絶対に顔が赤くなってる。



「ホントにっ。ラッキー!!」


彩人くんがうれしそうに微笑んだ。



わたし、本気で恥ずかしくて、


「それじゃッ」

慌てて教室まで走った。



ばっ……バレるかと思った―!!


「一緒に回りたい」だなんて、1歩間違えば告白だよー。



それにしても、あの彩人くんの反応……。

どう受け止めたらいいのかな――??



――――――。



数時間後に始まった、3年生によるステージ。

本格的な劇、ダンス、歌――…

その白熱するステージに、体育館内は大盛り上がり。


そんな中。

わたしは静かに彩人くんの姿を探していた。



「楽しかったねー」

「うん、盛り上がったよね」



こうして。
学園祭の1日目は、幕を下ろした――。


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