2つにわれたチョコレート【完】
"人の女"。そこに反応した自分がいる。
爽哉じゃない、誰かに言われたい…、自然とそう思った。
「……」
大地は無言で爽哉の手を振り払うと、教室からでていく。
「だい…」
小さく名前を呼ぶと、手だけをあげる返事が返ってきた。
「…なんであいつ、ここにいたんだ?」
「…え?」
「ここ、姫の教室だろ? 俺らの教室とは、塔も違う。この塔に、教室以外の部屋はあんまねーし…。音楽室も。
…なんで、姫のところにいたんだろうな?」