2つにわれたチョコレート【完】



「どうしたの…大地。いきなり、走り出すなんて…」



今、きっと疲れきった顔をしてる。



体力、ないもん…。



「悪ぃ」



大地は短くそう言うと、握っていた手を離した。



温かかったのに…。



「杉浦、ちゃんと笑えてないように見えたから。ムリやり連れ出して…悪い」



ほんとに申し訳なさそうに頭をさげる。



「そんなのいいよ」



頭をあげて。




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